こんにちは。歯科衛生士として働くシホです。
人は見た目が9割とよく言われますが、その中でも「笑顔」は人間関係において大切な印象を与えますよね。そして歯や歯茎の綺麗さは、笑顔のとても重要な要素ですね。
歯茎の健康的で理想的な色は薄いピンク色ですが、歯茎の色は個人差があり何らかの原因で茶色くなってしまっている人もいます。
笑顔から見える歯茎が茶色いと、不健康や清潔感がないというイメージで捉えられてしまうことも。
特に肌が美白な人や歯が白くてキレイな人などは、歯茎の着色はとても目立ってしまいます。
ここでは歯科衛生士の観点から、歯茎・歯肉が茶色く、黒く汚れてしまう原因や治し方について解説していきます。
歯茎・歯肉が茶色く汚れてしまう原因とは?
歯茎が着色して汚れてしまう原因は複数あります。
その原因によって色合いも異なりますが、一般的な着色には茶色や紫っぽい色、黒っぽい色が見られます。
歯茎がピンク色から汚れてしまう原因をピックアップしてみましょう。
歯茎・歯肉へのメラニン色素沈着
メラニン色素というのは、人間の皮膚全てに存在するメラノサイトという細胞から生み出される色素です。
メラニン色素の働きとして最もわかりやすい例は日焼けですね。
メラニン色素は皮膚を保護する役割を持っているため、紫外線による刺激から肌を守ろうとしてメラニン色素が生み出されて肌が茶色くなるわけです。
このメラニン色素は皮膚への継続的な刺激によっても、肌を守ろうとして生成されます。
サンダルを履いていると摩擦が起きる、かかと等に黒ずみができた経験はないでしょうか?あれも刺激によるメラニン色素沈着が原因です。
歯茎・歯肉の皮膚への刺激によってメラニン色素沈着が起きることで、茶色く着色が起こるのです。
歯茎への刺激とは以下のようなものがあります。
喫煙による刺激
喫煙の煙や熱による刺激によって、歯肉が刺激され、メラニン色素の沈着が促進されて歯茎が茶色や黒っぽい色に変わってしまいます。副流煙によってもその影響をある程度受けることがわかっています。
紫外線による刺激
歯茎も他の肌と同様、紫外線の影響を受けてメラニン色素を生成します。長時間、紫外線を受けることで色素沈着が進行します。
食べ物による刺激
辛味や酸味の強い食べ物は歯茎への刺激も大きいです。口内炎がしみる食べ物などが刺激が強いということですね。
こういった刺激でもメラニン色素は少しずつ生成されていきます。
歯ブラシのしすぎによる刺激
歯周病予防のためにも歯茎をブラッシングすることは大切ですが、ブラッシングのしすぎ、ブラッシングの力を入れすぎは刺激が強すぎるので注意しましょう。
特に、歯茎の色が気になってブラッシングしすぎるのは、逆効果なので注意してください。
メラニン色素以外の茶色い歯茎の原因
メラニン色素沈着以外にも下記のような原因が考えられます。
ワインなどの濃い色素の沈着
歯と同様、茶シブやコーヒーなどの色の付きやすいものを飲むと歯ぐきにも色が付き残ってしまうことがあります。
お茶やワインなどに含まれているタンニンは、歯の着色の原因になることがよく知られていますが、頻度の多い人や量の多い人は歯茎にも沈着します。
ワインの場合には濃い紫っぽい色、コーヒーやお茶の場合には茶色っぽい色になります。
歯茎・歯肉の酸欠状態
手や指をきつく圧迫して血流を止めると、皮膚が紫っぽくなりますよね。あれは毛細血管に酸素が届かないために起こっています。
歯茎や歯肉に流れる血管への酸素供給が減ると、同様に紫っぽくなってしまい、それが定常的に続くと着色として定着してしまいます。
喫煙習慣のある人は、喫煙によって体内に急増した一酸化炭素の影響で歯茎の末梢血管まで酸素が運ばれずに歯茎が酸欠状態になります。
また、睡眠中の無呼吸症候群でも、歯茎・歯肉の酸欠は引き起こされてしまいます。
歯肉炎・歯周病になっている
歯茎のごく一部だけ茶色く変色している場合には歯肉炎の可能性もあります。
歯周炎や歯肉炎になると、歯茎がうっ血して腫れた状態になります。
これは血液の循環が滞って歯茎の中に溜まった状態で、黒っぽい赤色や紫色などになります。少し触るだけで出血しやすい状態です。
歯周病の場合には、歯医者に行って医師の診断をしてもらうようにしましょう。
また、歯周病以外でも、普段から口呼吸をしている人は特に前歯の歯茎が赤く炎症を起こしていることがあります。これは、口呼吸にとって乾燥した歯茎が炎症を起こした状態です。
金属アレルギーによる炎症や金属によるメタルタトゥー
被せ物などに使われている金属が歯茎に長期間接していると、溶け出した金属イオンが歯茎に沈着して黒っぽく変色します。
金属による歯茎への着色は歯科業界ではメタルタトゥーや金属漏洩と呼ばれます。
この場合も、歯茎の一部分だけが茶色くなっているケースが多いです。
歯茎が黒くなって徐々に範囲が広がっていきます。身体に害は無い症状なものの、見た目はとても悪くなってしまいます。
また金属アレルギーの人は、金属の刺激によって赤く炎症を起こしたりメラニン色素が沈着して黒っぽい色になることがあります。
こういう場合には、歯科医に相談して保険適用で、セラミックなどの非金属の被せ物に変えてもらうことで解消出来る場合が多いです。
歯茎の汚れや着色の予防方法
以上のように歯茎はさまざまな原因によって色が変色します。
つまり歯茎は、口内の何らかの異常やトラブルの目印ともいえるでしょう。
歯茎の汚れや着色を効果的に予防するにはどんな方法があるか紹介します。
歯磨きを丁寧にする
当たり前のようですが歯磨きはとても大切です。
歯と歯茎の境目に歯垢や色素成分が残っていると、歯茎の炎症や色素沈着の原因になります。
歯磨きをするときは歯と歯茎の境目も丁寧に磨きましょう。
ただし前述のように、磨きすぎは歯茎への刺激が強すぎるので気をつけてください。
タバコの害に注意
タバコは腔内のさまざまなトラブルの原因になります。歯茎の着色が気になる人であれば、可能ならば禁煙を目指しましょう。
iQOS(アイコス)のような電子タバコなど煙の出ないものやニコチンパッチなら歯茎への刺激も少ないです。
タバコを吸わない人も、副流煙が近くにいる他人に影響しますので、できるだけ煙から離れたところにいるように心がけましょう。
色素の多い食品を食べた後は、うがいと歯みがき
ワインやコーヒー、お茶などをよく飲む人は、飲んだあとにうがいをしたり水を飲むなどしてできるだけ早く口腔内から流してしまうことが予防に繋がります。
カレーや韓国料理も色素がとても強いですので、食べたあとは歯磨きをするように心がけましょう。
差し歯や詰め物、被せ物に金属を使わない
金属による歯茎への着色メタルタトゥーを予防するには、治療の際に金属を使用していないセラミックなどの被せ物を選ぶことです。
また銀歯など既に金属の被せ物をしている場合も、セラミックなどに変更してもらうことが可能な場合もあります。
口呼吸は意識的に治す
起きている普段の生活では口を閉めて鼻呼吸をするように習慣づけましょう。
寝ている間の口呼吸は無意識の行動なのでやめるのは難しいものです。
夜寝るときに唇の上下をサージカルテープで留めておく、出っ歯など歯並びが原因の場合には矯正治療を受ける、などの方法で治していくことが出来ます。
自宅でできる歯茎の汚れや着色の改善方法について
既についてしまった汚れや着色を自宅で改善するには、どんな方法があるのか説明します。
歯茎をマッサージして血行を良くする
歯ぐきマッサージはご存知でしょうか。
歯磨きを終えた後など指で軽く歯ぐきを触りながらマッサージをしてあげることで歯ぐきの血行がよくなります。
ベロで押してあげることもできますが、力があまり入らないので指でマッサージが1番かと思います。
歯茎の血液を流してあげるようなイメージでなぞるようにマッサージを毎日してみてください。
規則正しい生活
規則正しい生活をすることで体そのものの健康状態がよくなり、炎症に対する抵抗力もアップするので歯肉炎や歯周病が改善され、歯茎の色もよくなります。
歯茎を健康にする効果や抗炎症作用のある歯磨き剤の使用がオススメ
歯磨き剤には歯茎を健康にする効果の高いものがいくつかあります。
CMでも歯茎を健康に!といった歯磨き粉は良く見かけますが、薬用成分がしっかりとした分量で配合されているものは、1000円前後のものでは探すのは難しいです。
職業柄、歯のホワイトニングへの知識を深めるために、ホワイトニング歯磨き粉と呼ばれる商品は色々と購入して試しています。
そのなかで、私が特にオススメしたいのはプレミアムブラントゥースという商品です。
アメリカ・フランス・イタリア・イギリス・スペインといった歯のホワイトニングの先進国で売上1位となっている商品で、2017年についに日本でも販売開始になりました。
この商品は化学物質を使用しておらず、植物性オイルなどオーガニックな自然成分が配合されています。
歯のホワイトニングの効果は言うまでもないのですが、実は歯周病・歯肉炎などに効果のある歯茎を健康にする自然成分もかなり配合されています。歯科医・歯科衛生士が監修して商品開発をしているだけのことはあります。
緑茶は歯周病予防に効果があると言われていますが、その理由はカテキンという成分の抗炎症作用と殺菌作用に由来します。
プレミアムブラントゥースはこのカテキンを配合しているだけでなく、16種類の歯茎を健康にする自然成分が配合されているのが大きな特徴です。
さらに、ココナッツオイルに配合されているラウリン酸は非常に高い抗菌・抗ウイルス効果があるため、プレミアムブラントゥースを使うと歯みがきをするたびに着色や炎症、虫歯などから守ってくれます。
欧米で注目されているオーガニック健康促進法アーユルヴェーダにある、植物性オイルで口の中をゆすぐというオイルプリングと同じ効果が得られるようです。
私自身は現在あまり歯の着色がないため、実際の効果検証として兄に2ヶ月使用してもらいましたが、喫煙をして歯が黄色くなっていた兄の歯が、かなり白くなりました。
あと歯茎の色も健康的にピンクになって、30代後半の兄の笑顔が一気に若返りました。
歯や歯茎の色って笑うとかなり目立つので、年齢が気になり始めた男性や女性も、若い笑顔を取り戻せると思います。
また90日間の返金保証付きというところも安心して購入できる点ですね。
歯茎を健康なピンク色に戻したい人は一度使用してみることをオススメします。
品薄状態が続いているようですが、販売は下記の公式通販サイトのみです。
※2017年10月現在、6,000円OFF、90日間返金保証キャンペーン中のようです。
歯医者でできる歯茎の汚れや着色の改善方法
歯磨き剤以外に、歯医者で出来る改善方法についても紹介しておきましょう。
レーザー治療
歯科用レーザーには、歯茎に沈着したメラニン色素を除去する効果があります。ちょうど美容整形外科でのホクロやシミの除去と似た施術になります。
多少痛みがありますが、数回で色素が薄くなります。
ただし、保険が適用されないため1~3万円程度の費用がかかります。
ガムピーリング、ガムブリーチ
歯茎にフェノールなどの薬剤を塗布してメラニン色素を含んだ歯茎の表面の組織を一層剥がし取り、新しい組織を再生させることでピンク色にする方法です。
簡単に言うと、歯茎の表面の皮膚を火傷させて、強制的に新陳代謝を起こすようなイメージです。
術後1~2週間程度で歯茎の表面の皮膚が入れ替わり、着色が少し落ちますが、薬の作用で痛みを感じるのがデメリットです。
また、保険が適用されませんので5,000~1万円程度かかります。
歯肉切除
高周波電気メスなどで色素が沈着してしまった歯茎を取り除いてしまう方法です。
施術中は麻酔をするので痛みはほとんどありませんが、保険適用外の手術になるケースがほとんどです。
金属の除去
メタルタトゥーは、原因となる金属製の被せ物を取り除くことが必要です。
その際に同時に周囲の変色した歯茎も切り取り、最終的にはセラミックなどの非金属製の被せ物を装着します。
費用については各歯科医院によって設定されています。
歯周病治療
歯周病だと診断された場合には、保険適用で歯周病の治療を行います。
歯茎の中まで入り込んでいる汚れや細菌、細菌に感染した歯茎と麻酔下で取り除いてきれいにします。
ただし、継続的な通院や薬が配合された歯磨き粉やうがい薬などメンテナンスが必要です。