こんにちは!歯科衛生士のシホです。
冷たいものや熱いものを飲むと歯がしみる、歯ブラシが当たるとピリッとする、それが知覚過敏です。
知覚過敏症のある人は、いわゆる歯医者でのホワイトニングを受けることが出来ないのですが、
それでは知覚過敏のある人は歯のホワイトニングとどのように向き合っていけばいいのでしょうか。
具体的に説明していきましょう。
知覚過敏とは
画像出典:サンスター
知覚過敏の症状はとても不快なものですが、なかなか改善しないのが特徴でもあります。
症状のひどい人になると、ほんのちょっとした刺激にも反応して痛みの症状が起こることがあります。
知覚過敏とは上記の図のように、歯肉が退縮して、本来は歯肉の中に隠れているエナメル質で覆われていない部分の歯が出てしまってちょっとした刺激に痛みを感じてしまう状態です。
また歯肉が退縮する以外にも、虫歯でエナメル質が浸蝕されて象牙質がむき出しになることでも起こります。
エナメル質で覆われていない象牙質には象牙細管と呼ばれる細い管が開いているため、ちょっとした刺激が神経の集まる歯髄まで届いて痛みを感じてしまうのです。
知覚過敏になると、歯磨きやうがいがしっかりできなくなるため、さらに虫歯になりやすくなったり、歯の着色が起こりやすくなったりします。
知覚過敏の原因
知覚過敏の根本原因である、歯肉の退縮とエナメル質の浸蝕は下記のようなことで引き起こされます。
- 過剰な摩擦でエナメル質が削れて薄くなる
研磨剤入り歯磨き粉と音波歯ブラシの併用、歯の消しゴム、重曹歯みがきなど間違った歯のケア - 酸性の食品を摂る回数が多くエナメル質が溶けた
炭酸飲料の飲み過ぎなど口の中を酸性にする食習慣によるエナメル質の脱灰 - 加齢に伴って歯肉が下がったりエナメル質が薄くなってしまった
50代以降になると加齢によってエナメル質が薄くなってしまいます。 - 歯医者のホワイトニング(過酸化水素)でエナメル質に微細な隙間ができる
歯医者のホワイトニングには劇薬である過酸化水素で漂白をするので歯へのダメージが大きいです - 歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせの悪さによる楔状欠損や歯肉下がった
- 歯周病やその治療、歯石除去などで歯肉が下がった
知覚過敏の人のための歯の黄ばみ解消方法
知覚過敏の人も、歯の黄ばみを解消したいという希望を持つ人は多いものです。
まずは歯の着色を予防する方法から考えましょう。
歯の着色予防方法
- 色素を多く含む食品をできるだけ避ける
カレー、コーヒー、コーラ、ワイン、紅茶などは着色が起こりやすい飲食物です。 - 食後にキシリトールガムを噛む
唾液の分泌が促されて色素成分が流れやすくなりガムの粘着力で除去してくれます。 - タバコはなるべく吸わない
タバコのニコチンや煙は歯の黄ばみの大敵です。iQosなどの電子タバコにするのもいいでしょう。 - ホワイトニング用の歯磨き剤を使って歯を磨く
黄ばみ予防をしながら歯を白くしていくホワイトニング歯磨き粉は効果的です。
着色予防をしながら、次は着色除去の方法を見ていきましょう。
過酸化水素を使用するホワイトニングはNG
まず知覚過敏の人は下記のホワイトニング法はオススメできません。
- 歯科医院で受けるオフィスホワイトニングやホームホワイトニング
- 過酸化尿素や過酸化水素を含んだホワイトニング用歯磨き剤やテープ
上記のホワイトニング方法に共通するものは、過酸化水素(オキシドール)という成分です。
髪の毛のブリーチ剤としても使われるこの過酸化水素は非常に刺激のある劇物で、体に触れるとカタラーゼ反応という強い酸化反応が起こり分解されます。
このとき強い痛みを伴いますので、過酸化水素を使ったホワイトニングは知覚過敏の症状を悪化させることが考えられます。
過酸化尿素も分解されると過酸化水素を発生してホワイトニング効果を発揮するので、同様の症状が現れます。
以上の理由から、知覚過敏の人は、オフィスホワイトニングやホームホワイトニングの禁止事項に含まれています。
過酸化水素や過酸化尿素は日本の薬事法で認可されていない危険成分で、日本国内では販売が禁止されていますので、購入する機会はあまりないので安心です。
しかしまれにAmazonなどで「並行輸入」といった記載があって、知らず知らずのうちに海外製のものを購入してしまっているケースがあるので、Amazonと楽天での購入の際には注意しましょう。
知覚過敏の人の歯の着色除去方法
知覚過敏の人のオススメなホワイトニング方法は下記のとおりです。
- ホワイトニング歯磨き粉を使って歯を磨く
黄ばみ予防をしながら歯を白くしていくホワイトニング歯磨き粉は最も効果的な方法です。 - 過酸化水素を使用しないホワイトニングサロンに通う
歯医者ではないサロンで過酸化水素を使用しないセルフホワイトニングに通う方法です。
効果としては、ホワイトニング歯磨き粉とあまり変わらないためコスパは悪いです。
ホワイトニング効果の高い歯磨き粉やジェルを使いましょう
知覚過敏の人でも安心してホワイトニング効果を得ることができるのが、過酸化水素以外のホワイトニング成分を含んだ歯磨き粉やジェルです。
ポリリン酸やマクロゴール400、リンゴ酸などといった着色除去の酵素成分を含んだものを使用すると良いでしょう。
これらの成分は科学的な漂白とは違いますので、知覚過敏症状が出ず歯に優しい商品です。
使い続けることで徐々に黄ばみが薄くなって本来の白い歯に戻すことができます。
ホワイトニング歯磨き粉はかなりの商品数が市販されているため、しっかりと効果が出るものを見つけるのがとても大変です。
下記の記事でオススメのホワイトニング歯磨き粉を紹介していますので参考にしてみてください。