こんにちは!歯科衛生士のシホです。
最近はネットのQ&Aサイトなどでも「活性炭で歯が白くなるというのは本当?」という質問が多いですね。
結論から言うと、活性炭には歯のホワイトニング効果はありません。
それはなぜなのか、解説していきます。
活性炭で歯の着色が取れると言われている理由
活性炭とはいわゆる炭のことですが、なぜ歯の着色が取れると噂されているのでしょうか。
Youtube動画で活性炭歯みがきが話題になっている
元々はネットで活性炭歯みがきのホワイトニング効果が噂されていて、YouTuberがネタとして活性炭のホワイトニング効果を検証して話題になったようです。
ネット通販で1000円程度で購入できる活性炭サプリを歯磨き粉代わりにするというものですね。
いくつかの動画がアップされていますが、下記のような手順で行っています。
- 歯ブラシを水で濡らし、うがいをして口の中の水分を増やす
- 活性炭のサプリを口に入れるか、歯ブラシにつける
- 炭の成分が口内に広がるように全体的に磨く
- 口をゆすぐ
そもそも活性炭とは何か
活性炭とは、炭素で出来ていて、上記の写真のようにミクロレベルの非常に細かい穴が沢山開いているため、細かい物質を吸着させる性質があります。
例えば、活性炭は水道水のカルキ抜きで使われたり、熱帯魚飼育で水槽内の水をキレイに浄化させるために使用されています。ミクロレベルの細かい物質を吸着する活性炭の性質による効果です。
Wikipediaでは下記のように解説されています。
活性炭は、大部分の炭素の他、酸素、水素、カルシウムなどからなる多孔質の物質であり、その微細な穴(細孔)に多くの物質を吸着させる性質がある。表面が非極性の性質を持つため、水のような極性分子は吸着力が低く、細孔より小さな粒状の有機物を選択的に吸着しやすい。その性質を利用して、脱臭や水質浄化など、有害物質の吸着に用いられる。
こういった効果から、「活性炭を使用して歯みがきをすれば、歯についた着色や黄ばみ・ヤニを吸着して白くなるのではないか」と考えたのが、この噂の発端かと考えられます。
活性炭を配合した歯磨き粉も販売されている
この話題にのって活性炭を配合した歯磨き粉もいくつか開発されて販売されています。
歯磨撫子 重曹と炭のハミガキ
重曹による研磨効果で着色除去を狙った商品「歯磨撫子 重曹ハミガキ」には炭をプラスで配合した黒いバージョンがあります。
ただこの商品に関しては、炭の効果をホワイトニングではなく、「口の中のニオイの元を取る消臭効果」として販売されています。
参考:「歯磨撫子 重曹つるつるハミガキ」の成分とホワイトニング効果、評判・口コミ
CARBON COCO
オーストラリアのブランドで販売されているCARBON COCOも活性炭による効果をうたった商品です。
ネット通販で1本2,500円程度で売られています。
こちらの商品も活性炭の効果はホワイトニングではなくて消臭効果として販売されています。
美白スミガキ
小林製薬から販売されている美白スミガキです。
研磨剤シリカと炭が配合されているホワイトニング歯磨き粉です。
効果説明としては、着色除去ではなく、ニオイ成分と歯垢の除去という説明にとどまっています。
参考:「美白スミガキ」の成分とホワイトニング効果、評判・口コミ
実際に活性炭に歯のホワイトニング効果はあるのか?
結論からいうと、
着色を予防する効果はある程度ある。しかし既に付いた着色の除去効果は無い。
といえます。
コーヒーや赤ワイン、喫煙などを飲むと、口の中には着色成分が残ります。それをそのまま放置をすると、エナメル質に沈着をして黄ばみになってしまいます。
そこで活性炭で歯みがきをすれば、炭の吸着効果によって着色成分を口の外に出してしまうことが可能です。
そう考えると、活性炭歯みがきは歯の着色予防としては効果があると言えます。(普通の歯磨き粉と効果はさほど変わりませんし、ホワイトニング歯磨き粉よりは予防効果は落ちますが)
しかしながら、着色除去効果については残念ながら無いと考えたほうが良いです。
既に歯についている着色黄ばみというのは、エナメル質に沈着をしているか、エナメル質表面のカルシウムとしっかりと結合しています。
いくら活性炭に微細な穴が開いていようとも、そもそも着色ステインが浮き出していないので吸着のしようがないのです。
ホワイトニング効果の高い歯磨き粉をお探しの方は下記の記事を参考にしてみてください。